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税制改正ニュース

小規模宅地の特例について

平成23年度の税制改正大綱において、相続税の基礎控除額が5,000万円+法定相続人数×1,000万円から、3,000万円+法定相続人数×600万円になると発表されました。これにより、今まで以上に相続税に関心が集まるでしょう。そこで、相続税の計算において非常に有効かつ重要な制度である「小規模宅地の特例」(租税特別措置法69条の4)についてお話したいと思います。

この特例は、相続税の支払いによってできるだけ生活の基盤である住んでいた土地や事業に使っていた土地を手放さなくてもいいように、一定の減額を認めるというものです。要件を満たせば一定の面積までなら50%または80%の減額となりますので、有力な相続税対策となります(下表参照)。

小規模宅地等の種類 適用対象面積 減額割合
特定事業用宅地等 400㎡ 80%
特定同族会社事業用宅地等 400㎡ 80%
特定居住用宅地等 240㎡ 80%
貸付事業用宅地等 200㎡ 50%

例えば、所有していた土地の評価額が2,000万円で特定居住用宅地等に該当した場合、2,000万円×80%=1,600万円が減額されますので相続財産としては400万円ということになります。

実は小規模宅地の特例は、平成22年度の税制改正により適用要件が厳しくなりました。ですから今までなら特例を適用できた方が、場合によっては適用できないということもありえるのです。先程の例ですと、400万円で評価された土地が2,000万円に戻ってしまいますので、適用要件を満たすかどうかは重要なチェックポイントとなります。

特定事業用宅地等の適用要件
①被相続人(亡くなった方)の事業(不動産貸付業等を除きます)に使っていた宅地である
②被相続人の親族が、相続または遺贈により取得した宅地である
③その親族が、相続開始時から申告期限までの間にその宅地の上で営まれていた被相続人の事業を引き継ぎ、申告期限まで引き続きその宅地を有し、かつ、その事業を営んでいること

特定同族会社事業用宅地等の適用要件
①特定同族会社※の事業(不動産貸付業等を除きます)に使われていた宅地である
②被相続人の親族(申告期限においてその法人の役員である者に限ります。)が相続または遺贈により取得した宅地である
③その親族が、相続開始時から申告期限まで引き続きその宅地を有し、かつ、申告期限まで引き続きその法人の事業に使われていること
※特定同族会社とは、相続開始の直前に被相続人とその同族関係者が有する株式の総数がその法人の発行済株式の総数の5/10超である法人をいいます

特定居住用宅地等の適用要件
①被相続人の居住に使われていた宅地である
②被相続人の親族※が、相続または遺贈により取得した宅地である
③その親族が相続開始の直前においてその宅地の上に存するその被相続人の居住に使われていた家屋に居住していた者であって、相続開始時から申告期限まで引き続きその宅地を有し、かつ、その家屋に居住していること
※配偶者がその宅地を取得した場合は、そのほかの要件は求められません
※ 被相続人に配偶者も同居親族もなく、自宅を持っていない別居の子供が相続する場合は適用対象となります

貸付事業用宅地等の適用要件
①被相続人の事業(不動産貸付業その他一定のものに限ります)に使われていた宅地である
②被相続人の親族が、相続または遺贈により取得した宅地である
③その親族が、相続開始時から申告期限までの間にその宅地に係る被相続人の事業を引き継ぎ、申告期限まで引き続きその宅地を有し、かつ、その事業に使っていること

以上のように、適用要件を満たす為には被相続人の親族が宅地を取得すること、取得した親族が居住もしくは事業を続けること、申告期限までその宅地を保有していることが重要ポイントとなります。他にも細かい点がたくさんありその確認が必要ですので、適用を受ける際は必ずお問い合わせください。

なお小規模宅地の特例は、相続税の期限内申告書に一定の事項を記載し、かつ、一定の書類を添付した場合に限り適用されます。

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