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医療経営

医療法人の業務範囲~医療法人ってどんなことができるの?~

~医療法人ってどんなことができるの?~

■ 本来業務
医療法人は病院、医師若しくは歯科医師が常時勤務する診療所又は介護老人保健施設の開設を目的として設立される法人です。(医療法第39条)
 医療法人の業務は、医療法の規定にある通り、医療サービスを提供する施設の運営をすることが本来の目的です。しかし、医療法人を設立することで、医療法第42条各号に規定する業務を附帯業務として行うことができます。
 
さて、医療法人では、どんな業務を行うことができるのでしょうか?

■ 附帯業務
○医療関係者の養成又は再教育
 看護師や理学療法士などの医療関係者の養成所の経営をすることができます。
※後継者等に学費を援助し大学等で学ばせることは養成にはなりません。

○医学又は歯学に関する研究所の設置
 定款等に規定する医療法人の目的の範囲を逸脱しない限り研究所を設置することができます。

○医療法第39条1項に規定する診療所以外の診療所の開設
 巡回診療所、医師又は歯科医師が常時勤務していない診療所(たとえば、へき地診療所など)等を経営することができます。

○疾病予防のために有酸素運動(継続的に酸素を摂取して全身持久力に関する生理機能の維持又は回復のために行う身体の運動をいう。)を行わせる施設であって、診療所が附置され、かつ、その職員、設備及び運営方法が厚生労働大臣の定める基準に適合するものの設置
 疾病予防運動施設を設置することができます。

○疾病予防のために温泉を利用させる施設であって、有酸素運動を行う場所を有し、かつ、その職員、設備及び運営方法が厚生労働大臣の定める基準に適合するものの設置
 疾病予防温泉利用施設を設置することができます。

○保健衛生に関する業務
 薬局、施術所、衛生検査所、介護福祉養成施設、介護職員養成研修事業、介護保険法に規定する訪問介護、通所介護などの施設又は認可外保育施設などの設置を行うことができます。
※養護老人ホーム、特別養護老人ホームについては、医療法人では設置できません。

○有料老人ホームの設置

これ以外にも附帯業務としてあげられているものはありますが、医療法人では、福祉に関する事業や介護に関する事業などを行うことが認められています。ただし、本来業務を行わずに附帯業務のみ行う医療法人を設立することは認められていません。

厚労省の資料によると病院が行っている附帯業務の中では、居宅介護支援事業や訪問看護ステーション、保育所の順に実施数が多いという結果になっています。
 
先生方がこうした事業を行おうとされる場合には、医療法人の設立を検討するのも選択肢として考えられるのではないでしょうか。

担当 : 医療福祉部門 中村和弘

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