社会福祉法人

社会福祉法人の会計と税務

社会福祉法人の会計

これからの社会福法人と社会福祉法人会計基準

福祉サービスを利用する人と提供する事業者の対等な関係を築くこと、施設の努力が法人経営に反映されること、これらの理念を柱として平成12年、社会福祉法は改正され、従来の措置委託制度は大きく見直されることになりました。

平成12年4月には介護保険制度が、平成18年からは障害者自立支援制度もスタートし、従来の措置制度から直接契約制度に切り替わることになりました。制度上、利用者は自らの意思で利用する事業者を選択することができます。事業者側から見れば、サービス提供者が選ばれる対象となったということになります。このような契約制度の下では、サービスの良い社会福祉法人には利用者が集中し、集まった資金によってさらに良質なサービスを提供することも可能になってきます。

このような時代にあっては、会計も単に資金の収支だけを見ている訳にはいきません。収入がどうなっているのか、法人全体の資産や負債がどうなっているのか、経営のバランスはとれているのか、総合的に見ることのできる会計が必要とされています。また、これまでサービスの現場である施設の運営を中心に考えてきた会計システムも、今後は少しずつですが施設の経営主体である社会福祉法人本部の役割を重視する方向で見直しが行われるものと考えられます。その総合的にみることのできる会計が、新しい「社会福祉法人会計基準」です。

社会福祉法人の会計の特徴
(1)計算書類の体系
貸借対照表が必要なことは当然として、資金収支計算書、事業活動収支計算書(損益計算書)、
さらに財産目録の4種類の財務諸表が必要とされています。
(2)資金概念
社会福祉法人の資金概念は、「支払資金=流動資産-流動負債」とされており、いわゆる、運転資金をもって資金とします。
このような資金概念は、経理規程準則における資金概念(「繰越金」と呼んでいました)と同じです。通常の企業会計のもとでは、「資金」は、「現金および現金同等物」とされています。資金を、そのように考えて、初めて滞留営業債権や滞留棚卸資産等の影響を排除した、キャッシュフローが明確になるのですが、社会福祉法人においては、運転資金をもって資金としています。そのため、資金収支計算書と損益計算書は、その役割分担がいくぶん不明確になっています。これは、過去の経理規程準則における社会福祉法人会計との違和感が少ないように、新会計基準が考えられたためだと思われます。
(3)会計単位と経理区分

社会福祉法人は一般に社会福祉事業を行うものをいいますが、それに付随して他事業も行なうことができます。その場合、会計書類作成にあたり会計の区分が必要となります。
通常、一般会計は法人本部及び社会福祉事業(定款に記載した社会福祉事業毎に区分)に区分します。
公益事業会計及び収益事業会計がある場合はそれぞれ独立した特別会計を設けなければなりません。

  • 公益事業…会計基準に準じて行なうことができます。
  • 収益事業…会計基準は適用せず、一般に公正妥当な企業会計に従って行ないます。

また、社会福祉法人の事業活動の内容を明らかにするため、法人本部及び定款に記載した社会福祉事業ごとの区分(「経理区分」という)を設け、その経理区分ごとに収支計算書を作成します。 経理区分により、事業内容を明らかにできない場合は、さらに経理区分を細分し、収支計算書を作成することができます。

(4)行政指導
社会福祉法人は「措置」から「契約」へと、大きく制度が変更される過程にあります。しかし、社会福祉法人は公益性が高く、様々な公的補助のあることもあり、行政による指導・介入は避けられません。行政による指導は、資金使途に止まらず、実際の会計実務の細目にまで及ぶことが多々存在します。このあたりに、社会福祉法人の会計が、単に「会計」だけの問題にとどまらない部分です。

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